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私たちが作るものには動物を題材にしたものが多いのですが、この工房にも犬が一匹います。生まれて間もない頃から今日まで10年以上も私たちのそばで生活しています。
そのせいかこの犬は言葉をたくさん覚えていますので日常会話には不自由しません。でも逆に困ることもあります。聞かれたくない話があるときなどは、気が付いたら人間同士が小声で内緒話をしていることがあるくらいです。
寝ている時も油断はできません。背中を向けて寝ていても耳だけ動いていることがありますから要注意です。
これまでで一番大変だったのは、翌日一緒に車で遠出する事が前の晩にばれてしまったときです。
その時は「早く出掛けよう」と夜中にしつこく催促して、寝かせるのに一苦労しました。吠えるのではなく何かしゃべるのですがこれがとてもうるさいのです。こういうときは興奮していてなかなか静かにしてくれません。
でも普段、一緒に連れていけない場合は留守番するように言い聞かせるのですが、そうするとあっさりあきらめて寝床に入ってくれます。でも寝床に入って横になる瞬間、この犬は必ずもの凄く深いため息をつきます。
犬を飼った経験は子供の頃にもありますが、本気?で育ててみると驚きの連続で興味が尽きませんでした。
生後3ヶ月位たった頃には言葉を簡単に覚えてしまうことに気付きました。
言葉自体を覚えるのは犬にとっては割と簡単なようで物の名前などはすぐに覚えます。人の名前もそうです。
食べ物の名前に至っては教えなくても覚えてしまいます。
興味のあることについての言葉をまっ先に覚えるのは人間と同じです。
もちろん特にこの犬が賢いというわけではありませんし、犬だけが賢いということもないと思います。
私の少ない経験だけで考えてみても、動物行動学などもまだまだ解っていないことがたくさんあるようです。
むしろほんとうに家族として犬やネコと接している人の方が動物について理解しているのかも知れません。
当たり前かも知れませんが犬などは寝るといびきもかきますし夢も見ます。犬がおならをしたりするのも初めて知りましたし、決まり悪いときは目をそらします。
あまり擬人化してとらえるのも良くありませんが、私たちの持っている感情や感覚は私たちだけのものではないということは確かだと思います。
ペットブームが続く中で不幸なペットを目にすることも少なくありませんし、動物の賢さが分かってみると熊や猪が人里に出てきて殺されるニュースなどは以前にもまして心が痛みます。
野生の動物たちと人間が共存していくためには多くの問題や矛盾がありますが、愛情をもって動物を少しでも理解することが解決の糸口になると信じています。
いつの間にか堅い話になってしまいましたが、この犬を見ていると時々こんなことを考えてしまいます。
ちなみに”この犬”の名はロクといいます。家族であり工房の一員です。
最近はすっかり白髪が目立ってきました。
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